fuuyanm展 2021 『石たちのうた』
2021 11/4(木)~11/15(月)
会場:花森書林
13:00~19:00(最終日~17:00)火・水休み
fuuyanm展 2021 『石たちのうた』
絵画「石たちの音楽」シリーズは、2017年に創元社さんから出版された書籍「宮沢賢治の地学教室」(柴山 元彦 著)の装丁画を描かせていただいたことにはじまります。
この本は、宮沢賢治のお話を引用しながら宇宙や大地のしくみなど地学の基礎を学ぶことのできる本です。そこに引用されたお話のひとつに「楢ノ木大学士の野宿」がありました。
このお話の中に、花崗岩の中で様々な鉱物たちがユニークに会話している様子が出てきます。鉱物たちは、なんと千五百万年前のことまで持ちだしておしゃべりしているのです。
鉱物たちの千五百万年間の会話って!?
その途方もない年月をかけたコミュニケーションについて想像したとき、言葉の「意味」を聞き取るというよりは、知らない国の言葉を聞くときのように「色々な音色」や「リズム」で聞こえるように思えました。
この惑星のはじまりから長く長く続いてきた自然の営みの記憶。
それは永遠に奏でられ続ける、音楽のようです。
石たちはそんな音楽の結晶として、今ここに存在するように感じます。
ちいさな声の、長い長い音楽を感じ、描いてゆくとき。
ひとつのカタチが現れます。
ひとつの色、ひとつの模様、ひとつの粒は、
それぞれに見ている世界があって歌を歌い、
その歌によって、またそれぞれのものたちは、
自分では見えていないあらゆる世界を聞く。
そうして結晶される。
描きながら、そのことに驚いて、胸が熱くなります。
私が聞いた音色のちいさなちいさな結晶を、
fuuyanm(ふうやん)
絵描き/イラストレーター/グラフィックデザイナー
岩手県・花巻市生まれ。
雨にも風にも雪にも石ころにもしたしみながら育つ。
東京、大阪、京都、西表島、熊本、淡路島へと移り住み、
現在は福岡県八女市で、夫と猫たちと暮らす。
暮らす土地の環境や人との交わりから、どうしようもなく絵は生まれ、ちいさな奇跡がいつでもあることを知る。
イラストのお仕事としては、NHKのEテレ「おはなしのくに」( 宮沢賢治『祭りの晩』)など。個展や各地の芸術祭、アートプロジェクトへの参加や、音楽家・フォトグラファー・布作家・ダンサーらとのコラボレーション、壁画制作、子どもたちとの共同制作やワークショップなど幅広く活動。最近は少しお休みして、ぐぐっとわきあがってくる時に絵を描きためています。数年ぶりの展覧会。
fuuyanm website
https://neconotesha.wixsite.com/fuuyanm
ねこのて舎(デザインのお仕事サイト)