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2021-04-03

加藤亮太郎 小谷淑子 『自由ってなんだっけ?』

2021  4/17(土)~4/30(金)
会場:花森書林
13:00~19:00(最終日~17:00)火・水休み

小たにという古道具屋で、僕は初めて小谷さんと出会った。

彼女が姉妹で経営していた店だった。

古道具といっても、今の日常生活で実用できるような物ではなくて、過去に生きていた人の生活の証、いわばかけらのような物だった。

そういった、人が生きていた頃に残した証を見て、僕は人間の一生はある時期をもって終えるけれど、その人間の香りはかすかながら残せることもあるんだと思えた。

 

小谷さんのどんぐりの様な眼は、そういう過去の人間に憂いを持っている、遠くの過去を見ているような眼差しのように、僕には見える。

 

僕も小谷さんも、人見知りの性格だとは思うけれど、過去の人、今現在の人に関わらずきっと人間は好きなんだろうと思う。

 

僕は、人の顔っぽいものを描いてばかりいる。

別に人間の事を思って描いてるわけではない。

無意識にだ。

そういえば、小谷さんが切った金属板の形も人の体のように見える。

『自由ってなんだっけ?』の自由は『なりゆきのまま、心の動くまま』っていうことなのかなぁ。

心の思うままに動いたらたまたまそうなったということだ。


加藤 亮太郎(かとう・りょうたろう)

僕は自分がアーティストである意識をそれほど強くは持っていない

絵を描いたり、ものを創るのは好きなのだけど、それは子供の頃のお絵描き、工作を続けているだけのことだ。

大人びた感じで言うならば、描いたり作ったりしたものは僕にとってはこの世に生存した証。

展示することは人生の途中までの証を皆様に披露する場であると思っています。


使い古しの布に、絹の糸で点描のように刺繍した顔。

立体感のある、オブジェのような金属のフレーム。


『亮太郎くんと小谷さん、一緒に展示してみたら?』と友人からの提案で実現した今回の2人展。

加藤さんは、顔の刺繍や絵など。

わたしは、真鍮のモビールやアクセサリーなど。

持ち味の違うふたりの展覧会。

素朴な絵を描く加藤さん。

わたしはというと…、

いつもと変わらず、好きなものを作ります。

それぞれの素を出しあってできるものは。

出たとこ勝負の新しい発見がありそうです。


小谷 淑子(こたに・よしこ)

直感を大切にしています。

なんとなくのかたち、思いつきのかたち。

好きやおもしろいを、オブジェやアクセサリーにしています。

兵庫県神戸市在住。

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